2011.9.10(2011.10.10 komoriharuka)

 

今日は友人のSも東北に来ていて3人で行動する
Sも4月から東北に1人で来るのを続けている人で
いろいろと話をしていたから、一度一緒に行動しみたいなと思っていた

石巻小学校へこども祭りに
3月からずっと東北での活動を続けている美術家のEさんに呼んでもらった
小学校についた時すぐにEさんとEさんのバスを見つけた
「よー!元気かー」って感じでテンションはいつものように高くて
それだけで楽しいなーって
お祭りはこどもが本当にたくさんいて、いろんなテントの出店がグランドに並んでいた
校舎の中にスタンプラリーがあるよと言われたので行ってみる
もうおわっちゃったんだけど、いいよいいよと言われて
スタンプラリーのカードをもらう
教室の中に入ると各部屋ごとに町内会のゲームがあって
そこでスタンプをもらわなければいけないのだけど
明らかにもう終わりかけていて
ゲームもせずスタンプだけ押してもらって景品をもらってしまった
でっかいシャボン玉をもらった

車を泊めていたところの近くで写真洗浄をやっていた
石巻の写真洗浄は数が多すぎて、もう全部廃棄するという噂を聞いていたので
やってるじゃん!といって入って行った
スタッフの方が「どうされました?」って声をかけてくれた
その方に石巻の写真洗浄のことを取材する事になった
石巻では数カ所にわかれて洗浄を行っていて
複写も手製の機械をつくってやっていたりレタッチの修復する作業も別部隊でやっているという
廃棄というのは全然ちがって、むしろ地道に活動していて
最後に手元に戻るとき、なるべく最良の形で渡せるような努力をされていると思った
最良の形というのは人それぞれ考えが違うと思うのだけど、、

建物から出たところにKさんという方が車から段ボールをおろすところだった
その中にはカメのタオルが入っていた
Kさんは石巻出身の方で、市内を車でまわりながら地元の人に何か困ってることは
ないかと聞きながら、それを配達したり、その人が売りたいものを色んな人に販売したりしている方だった
地元の人にできることがあるんだよ、この町を知っているし、ここに住む人を知ってるからできるんだよと話していた

Kさんのお孫さんも石巻小学校にいるとのことで
再び小学校へ
Kさんに聞いてはじめて知ったのだけど
この小学校にも膝上ほどまで津波が来たという
ここは安全だった場所だと勝手に思い込んでいた
Kさんは子供たちがまたここで楽しく遊べている光景が見れてよかった、
この場所が怖かった子もいたと思うよと仰っていた

それからそのお祭りに出店していたNPOの団体の方がやっていた駄菓子屋さんへ
そこで知り合ったMさんという東松島出身の方がとある地区を案内してくれるとのことで着いていった
東松島は知っていたけどちゃんと来た事はなかったし、その地区の地名はあまり記憶になかった
Mさんの車に3人でのって中学校へ
グランドも陥没している
校舎の中はかたづいてはいるが二階の壁の高いところに津波の線が見える
止まっている時計の時刻が違うのはこっちは地震でとまって、もう一方は津波で止まったからだと説明してくれた
Mさんは詳細に当時のことや、ここで起こったことを説明してくれた
車で通りすぎるときも、降りて案内してくれるときも
そこに住んでいる人にしかわからない詳細な記憶
そこから想像しながらまたその風景を見るというのが
なんだかどうしたらいいのかわからないときがあった
それからそれに対してカメラをまわしていることとか
記録しようと思ったから記録しているけど
その声の説明と共に撮らされている感じとかなんだろうって
今まで地元の人に案内してもらったものとは違っていた

見えているものも、今までとは少し違っていたかもしれない
まだたくさんの家が片付けられないまま残っていて
建物や漂流物が色々なところにくっついて
塊になっていてそれが細い道にそってぽつぽつと立ち並んでいるような気がした
カメラで見ていたからかもしれないけど

それから小学校に戻る
たくさんの方が亡くなられた体育館でお線香をあげる
Mさんの思いやここで起こった事が語られる
Mさんはきっとこの思いを誰が来ても伝え続けると思った
もうおそらくたくさんの人に話してきているから
語りの順番とかはできている感じはしたけど
ずっと伝え続けるために、今わたしたちに話しているのだなと思った

小学校の校舎ではNPOの団体が拠点を作っていた
それはとっても奇妙な光景だった
なんでここにいるんだろうか、
教室には段ボールで作られた一人一人の家のようなものがある
色々と説明を聞いたけどやっぱりなんか変だった
いろんなNPOが入り込んでいるとは聞いていたけど
あ、こういうののことだなと
瀬尾はだいぶ怖がっていたので帰ろうということに

帰る途中誘われたお祭りをやっている神社をのぞいたら
赤白の布が大変なことになって部屋中に貼ってあって
たしかにこれはやばいかもと思った

それから仙台にある友人の家にお邪魔する事になる
突然伺って、ごはんをごちそうになる
その一家は本当にすてきな家族で
見ているだけでしあわせだなーと思う
おじさんは南三陸町の出身で生まれてからずっとこの宮城沿岸で
育ってきたという
なのでとても沿岸のことが詳しかった
先程の東松島での体験があったのでこの家にきてすっかり癒されてしまった

仙台の家にもどる
今日一日はなんだったんだろう
みんなぐったりしていた
明日は11日なのでどこで慰霊祭があるかを調べてから寝た

 

 

 9.10(10.10)