2011.9.4（2011.10.4 komoriharuka）
亘理へ行く
ボランティアセンターに行く前に亘理の海側にいく
「鳥の海」へ
釣りをしている人がいたり、津波の状況を見に来ている人がいたり
もともとは観光施設だったようで
鳥の海の屋上では人が助かったと話をきいた
２人で歩きながら、ここお風呂だよとか
ここは公演だねとか
そのあとは町役場へ
瀬尾とここに来るのははじめてだったけど
８月、わたしは１人で亘理に行っていた
そこではまだ災害ボランティアセンターが町役場前にあって
常連のボランティアさんが帰ってきたところだった
局長さんにお話を聞いたり
地元のおばちゃんが「なつみちゃんにも」っていちごのマスコットをくれたり
ボランティアさんとも話したりして
はじめて来て、ボランティアもせずいただけなのだけど
色んな方が声をかけてくれて自然と長居してしまった
トマトジュースももらった気がする
この日に来てみたらもう災害ボランティアセンターは閉まっていて誰もいなかった
物資食料を管理してるプレハブにいたおじさんにボランティアセンターの場所を聞いて
新しく開設された「ほっと」にいってみた
でも休日だったのでセンターの方はいなかった
また戻ってくると
おじさんは「いなかったかい？」といってプレハブの中に案内してくれた
おじさんに震災の時の話を聞いていて次第に取材をさせてもらうことになった
いちご農家のおじさんと、牛を育てているおじさんも参加してくれて話をきく
当日のこともだけど、それ以上に今現在の話が印象にのこっている
亘理では放射線量の値が高く牛の値段が下がったり、いちごも売れないという
農家の方や家畜をしている方からそういった話を聞いたのははじめてだった
小さな町でそこに住む方の職業が失われてしまう
今までこの仕事に誇りをもって続けてきたおじさんたちが
この先いつちゃんと元のように仕事を始めれるかわからない
津波からここまで立ち直ったのに、今度は放射能でつくったものが売れない
私の実家も静岡のお茶農家で、今年はセシウムが含まれていたことが報道されて
数値をちゃんとはかっていても売れなくなってしまった
毎日かかさず手入れをしてやっと出荷できるときの嬉しさとか
それを買ってくれた人たちがおいしいって言ってくれることとか
そういうものが失われている
農家の人にとってはどうすることもできない放射能の問題
いくら手をかけて育てても、それを買ってくれる人がいないとそれ以上先に進まないし
それでもずっと世話を続けないと、今度は次のものもだめになってしまう
おじさんたちが守ってきた自慢のものがつくれなくなってしまう
そうやって壊されていくもんなんだと
それでも亘理のおじさんたちはやる気を失っていたわけじゃないし
自分の仕事を今でも続けている
どんなに売れなくても続けている
農家の方や漁師の方の姿をすてきだなって思う
譲らないプライドっていうのか、
長年やってきてつちかった技術とか育て方とか
その人自身の身体に染み付いている感覚とか
そういう中でとれたものを私たちは食べてるんだなと思う
その土地でしかとれない、その人しかつくれない食べ物をたべたいなって思う
その食べ物が安全かどうかとかいちいち気にしたくない
お昼はCOOPのマクドナルドでたべる
そしたらさっきお話を聞いたおじさんがお孫さんと来ていた
瀬尾がちっちゃいとき、おじいちゃんとマクドナルドに来るのってすごい嬉しかったなって言っていた
わたしたちはハッピーセットをたべる
ちびまるこちゃんのおもちゃがついてくる
瀬尾がいらないっていうのでもらう
岩沼へ
岩沼のボランティアセンターで運営されている方のお話を伺う
岩沼ではまだボランティア活動をしていてみなさん挨拶してくれた
震災直後は地元の高校生たちが中心となってボランティアしていたようで
その時の写真を見せてもらった 今ではもう瓦礫撤去などは収束してきてるようだった
「その廊下や外にまでずーっとボランティアさんが並んでてね、早朝から並んでる人もいたりしたんだよ」
ボランティアさんがたくさん来ていたときの話をするセンターの方の顔は
なんだか本当に嬉しそうでわたしたちにもみてほしかったと言っていた
センターにいる方々はみんな若い方で仲が良さそうで明るい雰囲気だった
被害が大きかったという場所に２人でいってみる
ここに家があったことはコンクリートの土台でしかわからない
うすぐらい時間帯だった
松林が少しだけ続いている
一軒だけ新しく手作りで作られた家がある
なんとなくここにはあまりいられない気がした
仙台に戻る途中
おきまりのすき家の牛丼を食べる
最近気付いたけど並盛りじゃなくてミニでよくないかって気付く
食べ終わってちょうどよかったねってミニでいいなって
あと壊れてしまったわたしの携帯を岩沼のauショップにもっていった