2011.9.6(2011.10.6 komoriharuka)

石巻の朝。
何時に目覚めたのかわからなかったけど、
直感的に寝坊だ!って思った
おはようございます
朝ごはん
いちじく、ナス、目玉焼き、あとなんだっけなー
おばちゃんはテキパキと朝ごはんの支度をしていた
みんなもう起きてます

洗濯物を干します
私たちのたまりにたまった洗濯物はおばちゃんちの物干竿では足らず、
木にまでひっかける
えもんかけも、洗濯バサミも使ってやっと干せた

おじちゃんが我らの車シビックを運転してKちゃん夫婦のいる仮設へ
「はい、今がチャンス」
おじちゃんは教習所の先生なので、色んな曲がり角で一言コメントがあります
ジャスコの抜け道を通って到着
久しぶりのKちゃん夫婦
犬を2匹、ネコを1匹飼っていたことをはじめて知りました

ようかんをもらって食べながらお茶を飲む
おじちゃんが撮った写真をテレビのモニターで見る
Kちゃん夫婦はおばちゃんの家にいたあと、山形の方へ帰っていて
その時の写真や、蓮を見に行った時の写真や、吊し雛の展示に行った時の写真を見る
それからKちゃん夫婦のお家の写真
ここにたくさんトラックが突っ込んできて、うちの家はなんとかトラックは大丈夫だったこととか
いろんな物が流されないで家の中にとどまっていたこととか
だから仮設のKちゃんの家具や食器は元々使っていたものがほとんど
Kちゃん夫婦はおじちゃんは瀬尾に話して、おばちゃんは私に話して
会話が色んなところで入り交じりながら進んでいく
テレビの前に並んでいたまつぼっくりでできたカメのブローチ
こういうのを作ってくれる人がいるのよ
っていってカメをもらう、瀬尾はみどり、わたしは赤
はまぐりでできたお雛さまももらう
それを作ってくれたという向かいの棟のOさんのお家も取材したらいいわよってなって
Oさんも取材させてもらいにお邪魔する
お家の中はたくさんの手作りのものがあって
かわいらしい部屋だった
Oさんは急に来たわたしたちだったけど受け入れてくれた
たくさんの種類の吊し雛をつくっていて、型紙も、ハギレもたくさんあった
津波で流されちゃったから、どんなちいさなハギレもとっておくの
わたしにとってはこれも宝物よ
と仰っていた
お孫さんが東京で色んな吊し雛の本やハギレを送ってくれているという
すてきなお孫さんだなーって
Oさんは今、石巻のキャラクター「いしっぴー」を作っていた
いしっぴーを印刷したものってなかなかなくて、たまたまお寿司やさんに貼られていたポスターをもらってきていた
Oさんが作ったいろんな小物はいろんな仮設のお家に飾られてる
次の秋の展示に間に合わせたいのっていっていた
バウムクーヘンをごちそうになる
はまぐりの雛のお内裏様をもらった

Kちゃんちでお昼をたべる
親子丼がとどく、鹿妻のおばちゃんもきて5人でたべる
みんなでカメをつける
カメ大ブーム Kちゃんのおじちゃんがカメの歌をうたってる

仮設のすぐ脇には手作りのテーブルがあって
みんなそこでお茶を飲んでるようだ
自分たちで憩いの場所をつくっている
石巻は仮設に入るのは抽選で決まっていたので、元々のご近所さんが近くにいるわけじゃない
どこも集会場があって毎日のようにイベントをやってるけど
ここはそこに住む人たちがどんどんコミュニティを作っていた

避難所へ
体育館の避難所での生活を約半年されているHさんご夫婦のところへ連れて行ってもらう
区切りのない畳二畳がHさんお二人が生活されている
もうすぐでここを離れるという
お二人ともとても仲が良さそうで、カメラに2人がぴったりおさまってなんだかすてきだなって思った
多い時には二階にもステージにも生活されている方がいたという
ここにいる人たちはみんないい人ばっかりだから生活しやすいと仰っていた
私にはここでの数ヶ月の生活がどんなものなのか細部まで想像できない
でも、もしかしたらここにいる人たちの中での関係があったからこそ続けられたのかもしれないと思った
わたしが大きなカメラを持ち込んでもみなさん挨拶してくれて
こういう場所でカメラをまわしていいのか、抵抗があるけど、撮影することをわかってくださるというか
Hさんのお知り合いだったら大丈夫よって言ってくれた

引っ越しをされたらお手製のミートソースをごちそうしてくれるとHさんの奥さんが言ってくれた

それから鹿妻のおばちゃんの町内会がやっている物資配布を手伝いに
公園にテントをはって準備をする
みなさん当番制で配布係をやっている
瀬尾もお手伝いに参加する
お弁当、菓子パン、お茶、シャンプー、なし、真空パックのお惣菜などなどたくさんの物資が家族分配られる
時間になるとたくさんの人が集まってきて列をつくった大量の物資をふくろにつめていく
一輪車で来る方もいらっしゃった
朝、晩2回の物資配布があるらしい
これを続けているのは鹿妻のこの地区だけで、
町内会長さんにお話を聞くと、
震災で失ったものもたくさんあるけど、得るものもたくさんあるよ
この地区は震災からご近所さん同士のつながりが強くなったと言っていた
もう物資を必要とするべきときじゃないのでは、という声もあると思う
表面的にみると、わたし個人としても、まだお弁当がいるのかとか、菓子パンがいるのかとかわからないけど
町内会の人たちが了解して自主的にやっているんだから、それは必要なのかもしれないと思う

今日一日はほんとうに色んなところにおばちゃんに連れて行ってもらった
おばちゃんはお知り合いがたくさんいて、おばちゃんと一緒にいたらどんどん取材できるなって思った
わたしたち2人だけでは出会えない人にも、踏み込めない場所にも
おばちゃんのことを信頼している人たちがたくさんいるから私たちも入っていくことができる

車で今日一日のおもしろばなしをしながら瀬尾と仙台へ向かった

 

 9.6(10.6)