2011.9.1(2011.10.1 seonatsumi)

今日の夜、夜行バスに乗って仙台に行く。
これから約一ヶ月間、東北の沿岸部を走り回って、
ボランティアセンターの運営スタッフのインタビューを撮りにいく。
というのは名目のような気も既にしたりしている。
私はそこにいるひと達に会いにいって話を聞きたくて、そして景色が見たいと思っている。

小森とは3月の終わりから、月に一度一週間くらいずつのペースで東北を訪れている。
思えばなんでそれをはじめたのかもあまり良くわからないし、
なぜ今までそれを続けようと思ったのか定かでないような気もする。
一度目の東北滞在から東京に戻ったあとに何度か企画した報告会で、
テレビで高校生がボランティアをしているのを見て私も何か少しくらい役に立てると思ったから、
なんて言う風に語ったけれど、それもひとつ本当だけど、
もっと強いのは、同じ国で起きたとんでもない出来事がすごく怖かったんだと思う。
東京にいると情報でいっぱいになってしまう。
黒々とした津波の映像、多すぎる死者行方不明者の数、悲劇の場面を押さえたような写真。
私の頭のほとんどは、それでいっぱいだったように思う。
どうしたらいいかわからなかったから、私はそこに足を運んだ。
実際にその場所を見て、そこにいるひとと話した時、私はなぜか少しほっとしたように感じた。
そこには想像もできないような力で壊された町があって、見たこともないようにひしゃげた日用品達が転がっていた。
けれど(語弊があるかもしれないけど)、家を流された人家族を失った人仕事を失った人たちは、
私がいつも町中ですれ違っているような、ごくふつうの人達だった。
人それぞれに色んな受け止め方で今回のことを見ていて、それについて話してくれた。
会話の中にその大変な出来事が存在することは、東京で流れ込んでくる情報を考えることとは全く違うもののように受け取れた。
そこから東北沿岸に通いつづけている。

なんでなんだろうと思う。
理由はいっぱいあると思うけど、どれも不十分な感じがする。
前の日に小森と電話をして、なんでなんだろうって話をした。
小森は8月中別のことで忙しくて東北のことには全く頭が回っていないようで、私は少し拍子抜けした。
私はつい最近、一度関わったら最後までやり抜けと母に言われたのもあって、なんだか躍起になっていたように思う。
そこに内容があるのかは怪しい。
なんでなんだろう、というより、行きたいんだと思う。
そこで会った人達にもう一度会いたいし、めまぐるしく変わったり置いてけぼりになったりしている景色を見たいんだと思う。

夜行バスにぎりぎり間に合って、仙台に向かっている。
バスの中で、色んな人の足になって届け物を届けたり言葉を伝えたり景色を撮って来たりする、
配達屋さんみたいなことをしてみるのはどうかなんて考えてみる。
サービスエリアで小森に言ったら、いいかもね、と言ってくれた。
私は、どうにかして自分たちの動き方を形にしたいと思っていた。
レモン牛乳を買って飲んでみた。栃木でなぜレモンなのか。
バスに戻って、しばらくレモン牛乳のことを考えて、寝た。

 

 

← 9.1(10.1)