2011.9.22(2011.10.22 seonatsumi)

今日も小森は不在。
ちょっと番外編な雰囲気です。

Oさんと一年生のふたり(MちゃんとFちゃん)と遅めの朝食をとる。
Fちゃんは今日の午後仙台から新幹線に乗って京都に帰ってしまうとのこと。
結局Aさんたちご一行に一度も合流させてあげられず。
せめてもと言うことで仙台城の跡地へみんなで行ってみることにする。
(これはOさんの提案、本当に気が利くので感心してしまう)

仙台城の跡地は宿から距離的にはほど近いけれど、意外と山の中にある。
昨日の大雨の影響か、何カ所か迂回しながら車で山を上っていく。
なんとか到着する。
いわゆる観光地と言った感じで、パンフレットをもった観光客がちらほら歩いている。
特にこれと言って見るものはなかったけど、仙台の町が一応見渡せる展望台があったり、小さな神社があったり、銅像があったりした。
私達は立ち寄ったお土産屋さんでご当地のゆるキャラにはまり、それだけで十分笑ったので満足した。
私とOさんはまめ武将という丸くて緑色で間抜けな顔をしたキーホルダーをふたつずつ買った。

Fちゃんを駅まで送り、山形のAさんのご実家に向かう。
(Aさんは山形出身。昨日はみんなはAさんの先輩の住んでる町のロッジに泊まっていたが、今日はAさんのご実家にみんなで泊ると言う話になっている)

山形に向かう高速道路は一車線しかなくて走りやすい。
空が広くて、四方が山だ。
景色がいい。昨日が嘘みたいに晴れている。
3時間ほど運転して、夕方前くらいにAさんのお家に着いた。
既にみんな到着していて、ドイツ人のTさんも上機嫌で輪の中にいた。
Aさんのご家族も勢揃いで迎えてくださった。
私は急に人が増えてちょっと混乱したけど、とても雰囲気のいい家だった。

みんなで温泉へ。
田んぼの中を走って海沿いの旅館に向かう。
車の中で私は、一昨日見た福島の景色を思い出していた。
海の側にある旅館、小さな漁港、田んぼ。
海の色は違うけど、なんだか山形の景色に似ている気がする。
日本中に似ている景色はあるのかもしれない。
町の形成のされ方も似ているかもしれないと思う。
ここからは乱暴な考え方かもしれない。
でも、自分の身近な景色を失っても、どこかに似た景色はあるのかもしれない。
そうしたらそれを見ることで、失った景色を思い出すこと、は出来るのかもしれない。
震災があってもなくても、同じ景色がずっと自分の側にあるとは限らない。
何でも形は変わるのだ。
思い出すためのきっかけを見つけることが出来れば、自分の体の中にいつかのその景色は浮かんでくるのではないだろうか。
そんなことを考えていた。

温泉でOさんと色々と話す。もう何年もの友達みたいだった。
温泉のあと、みんなで夜の日本海に寄った。
波が荒く、青黒い色をしていた。

Aさんの家に戻ると、すでにごちそうが用意してあった。
なんでもおいしい。
ご飯を食べたあと、AさんとIくん(Aさんの友達)とOさんと、、いろいろと話した。
Iくんが、
どこに暮らすかで必要なお金の量も技術も違うのだから、どこで暮らすかどう暮らすかから選択をするべき(多分こういう内容だったと思う)みたいな話をしていて、なんだかそれがしばらく(二週間くらい)印象に残っていた。
私は東京出身で東京で学生をしていて、どこで暮らすかと言うことをあまり考えたことがなかった。
もちろん今まで生きてきて持っているもの持っていないものがあると思うけど、そこから選択出来るんだよなあ。そして、どう生きていくかだよなあ。
Aさんたちは出身は関東や東北だけど、今は京都の大学を選択してそこで生活をしている。卒業したらどこで暮らしをはじめるかと言うことはちょっと先の未来の、大きな選択の1つだろう。
みんなそれぞれに選択していて、すごいと思う。
これは本当にそう思う。

明日小森が朝イチで戻ってくるので、それに間に合うようにここを出なくちゃならない。
あと数時間しか眠れないけど、楽しかったから良かった。
なにより東北で同世代の友達が出来てとても嬉しかった。
Aさんのお母さんが敷いてくれた暖かい布団でゆっくりと寝た。

 

 9.22(10.22)

 


 

onagawa

 

今日も小森がいないので山形の友達の家へ。日本海側に面したその町は、海沿いの温泉と農業がある町。こういう景色が太平洋側のあの町にもあったのだろうと 思う。多分全ての景色がいつでも変化してて、いつか見た景色なんて今はどこにもないんだけど、見慣れた景色を失うことはいつもとても怖いと思う。

道を歩いてて、あれこの建物新しくなってる、その前なにがあったっけ、なんてことがよくある。失うことを目の前でみることはあまり機会として少ない。失うことを見たとき、その前とその後をつなぐその時間を過ごした時に、失ったものを理解出来るのではないかなと思う。

いつも何かを失っているけど、本当は何を失ったかなんてわからない。なんだかそんなことを思いました。

twitter@seonatsumi