二重のまち/交代地のうたを編む
2019/インスタレーションまたは映像作品の上映
<映像作品>
制作:小森はるか+瀬尾夏美
出演:古田春花、米川幸リオン、坂井遥香、三浦碧至
テキスト:瀬尾夏美/撮影:小森はるか、福原悠介/録音:福原悠介
録音・撮影助手:佐藤風子、森田具海/スチル:森田具海、布田直志
制作進行:清水 翼/現場応援:清水 仁、武田和恵、布田直志、水谷仁美
2018年9月。あたらしいまちの姿が見え始め、かつてのまちの面影が徐々に遠ざかりつつある陸前高田で行った、まちの人たちと遠くの土地からやってきた旅人(=パフォーマー)が出会い、会話を重ね、風景を共有するための仮設的な場をつくるプロジェクト。旅人たちはこの土地で編まれた物語『二重のまち』を通じて、15日間の滞在で見聞きし、思考したことを発話しようと試みる。ちいさな“継承”の始まりを記録し、そこからあたらしいうたを紡ぐ映像作品を制作していく。
*「二重のまち」(作・瀬尾夏美)とは?
「2031年、どこかで誰かが見るかもしれない風景」という副題を持つ短編の物語。嵩上げ工事などで造られた“あたらしいまち”とはるか地の底になった“かつてのまち”を行き来しながら暮らしを紡ぐ人々の姿が描かれており、実在する人物をモデルとしている。
■上映・映画祭
2021年2月28日より劇場公開 公式サイト→https://www.kotaichi.com/
自主企画「ほぼ8年感謝祭 あわいの終わり、まちの始まり」(せんだいメディアテーク/仙台/2019)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 「ともにある」プログラムにて上映(山形美術館/山形/2019)
シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭 スペシャル・メンション受賞(イギリス/2021)
Japan Docs(アメリカ/2021)
DMZドキュメンタリー映画祭(韓国/2021)
■上映・展示
展覧会「継承のしさく」(せんだい3.11メモリアル交流館/仙台/2019)
第12回恵比寿映像祭ーインスタレーション作品「二重のまち/四つの旅のうた」、上映プログラム参加(東京都写真美術館/東京/2020)
展覧会「3.11とアーティスト:10年目の想像」ーインスタレーション作品(水戸芸術館現代美術センター/茨城/2021)

©Morita Tomomi
にじむ風景/声の辿り
2017/ テキスト、絵、映像
■展示
「新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち」(横浜市民ギャラリー/横浜/2017)

「にじむ風景/声の辿り」photo:Ken KATO

「にじむ風景/声の辿り」photo:Ken KATO
遠い火|山の終戦
2016/ テキスト、絵、ドローイング、映像
■展示
「遠い火|山の終戦」東京展(路地と人/東京/2016)
「遠い火|山の終戦」仙台展(lightsource gallery/仙台/2016)
「記述の技術」展(ART ZONE/京都/2016)

遠い火|山の終戦(DM)
あたらしい地面/地底のうたを聴く
2015/ 絵、ドローイング、テキスト、映像
陸前高田市森の前地区にある五本松という大きな石。昔から一里塚のような存在だったその巨石は、子どもたちの遊び場となり人々に親しまれていた。大津波でも流されずに残ったが、かさ上げ工事によって埋まることが決まる。最後に何かがしたいと、まちの人々は石を囲んで盆踊りをした。お別れを前に聞き取った石にまつわる記憶と、移り変わる石のある風景を記録した作品。
■展示
「あたらしい地面/地底のうたを聴く」(ギャラリー・ハシモト/東京/2015)
「Seize the Uncertain Dayーーふたしかなその日」展(東京芸術大学陳列館/東京/2017)
「災禍とモノと物語り」展(広島市立大学/広島/2019)

「あたらしい地面/地底のうたを聴く」GALLERY HASHIMOTO
波のした、土のうえ
under the wave, on the ground
2014/ 絵、ドローイング、テキスト、写真、映像
2014年11月にせんだいメディアテークで行われた「記録と想起|イメージの家を歩く」にて発表された「波のした、土のうえ」は、小森はるか+瀬尾夏美が岩手県陸前高田市で三年間かけて行ってきた制作における集大成的な展示である。おもに震災以後被災した土地を歩き続けて紡ぎ出された文章、スケッチ、絵画、ドローイング、写真、冊子などの平面作品と、地元住民と恊働してつくられた映像作品とで構成されている。2015年より自主企画の巡回展「波のした、土のうえ」を、陸前高田での開催を皮切りに全国各地へと運んでいくプロジェクトを続けている。
■展示
「記録と想起ーイメージの家を歩くー」(せんだいメディアテーク/宮城)
「Moving The Mountain」(DeptfordX /St Paul’s Church/ロンドン)
「レコーディング・イン・プログレス―3がつ11にちをわすれないためにセンター活動報告展―」(せんだいメディアテーク/宮城)
「Sharing as Caring 4」(Heidelberger Kunstverein/ハイデルベルグ、ドイツ)
巡回展「波のした、土のうえ」(陸前高田市、盛岡市、神戸市、仙台市、福島市、東京都千代田区、尼崎市、新潟市、広島市、秋田市)
ほか上映会など全国各地にて多数開催。

「波のした、土のうえ」in盛岡/Cyg Art Gallery ©SEO NATSUMI

「記録と想起ーイメージの家を歩く」せんだいメディアテーク

「置き忘れた声を聞きにいく」より
映像作品「波のした、土のうえ」68分
出演:阿部裕美、鈴木正春、紺野勝代、瀬尾夏美
テキスト:瀬尾夏美
撮影、編集:小森はるか
1. 置きわすれた声を聞きにいく (24分)
2.まぶしさに目の慣れたころ (17分)
3.花を手渡し明日も集う (28分)
津波を受けた沿岸の町、「陸前高田」で出会った人びとの言葉と風景の3年8ヶ月の記録を、物語を起こすように構成している。映像作品は、この町に暮らしていた人と小森瀬尾の協同による作品。被写体となる地元住民の方に繰り返しインタビューをしたものを、瀬尾が物語に起こす。その物語をもう一度ご本人にお返しし、ご本人が訂正や調整、書き換えを行いながら、朗読をする。書き直しと朗読を繰り返した声と、この町の風景を重ねるように、小森が映像を編集していく。
砂粒をひろうーKさんの話していたこととさみしさについてー
A Story of K -something sad in the scene-
2012/ テキスト、ドローイング、映像
「私は辛くて見られないけれど、今のこの状態を記録しておいて」という現地の人の言葉がきっかけで、小森と瀬尾は、青森から茨城までの沿岸部の様子を撮影し始めました。本作はそうした活動のなかで、2011 年4 月から繰り返し訪ねている陸前高田に住むK さんの記録を中心にした映像とテキストによる作品です。小森の映像がその場の状況や語りをありのままに伝え、瀬尾のテキストはその場の会話や時間を咀嚼するなかで生まれてきます。自身が見た東北を「できる限りそのまま伝え」ようとする作品です。
(水戸芸術館「3.11とアーティスト|進行形の記録」カタログより)
展示
「つくることが生きること」(3331 Arts Chiyoda/東京)
「3.11とアーティスト|進行形の記録」(水戸芸術館/茨城)
「Calling from the waves」アートアクションUK (Husk Gallery/ロンドン)

「3.11とアーティスト|進行形の記録」水戸芸術館

「つくることが生きること」3331 Arts Chiyoda

タブロイド「Kさんの話していたこととさみしさについて」 文・絵 瀬尾夏美 /デザイン 隅井研太