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巡回展 波のした、土のうえ in 新潟

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展 波のした、土のうえ in 新潟

Komori Haruka + Seo Natsumi

Traveling Exhibition
’’under the wave, on the ground’’ in NIIGATA

会期:2017年4月29日(土)~5月21日(日)

休館日:月曜日、5/9振替休

時間:9:00 – 21:00

展示会場:砂丘館ギャラリー(蔵)

住所:〒951-8104 新潟市中央区西大畑町5218-1

入場料無料(一部イベントは有料)

砂丘館web:http://www.sakyukan.jp/

 

お問い合わせ

スクリーンショット 2017-04-12 22.17.14

 

 

 

 

砂丘館(指定管理者:新潟絵屋・新潟ビルサービス)

TEL/FAX:025-222-2676 Mail:sakyukan@bz03.plala.or.jp

休館日:月曜日

 

アクセス

砂丘館はどっぺり坂の上にあります。
■ 会sakyukanmap_2016場には駐車場がありません。また、周辺の道路は駐車禁止です。公共交通機関をご利用ください。

■ 新潟駅からのバス:浜浦町線C2系統または 観光循環バス乗車、バス停「西大畑坂上」下車徒歩1分
■ 新潟市西堀地下駐車場をご利用の方は、駐車券掲示にて1時間分の無料券を差し上げます。

 

 

 

 

 

 

巡回展「波のした、土のうえ」概要  

大津波から6年が経ちました。津波に洗われた東北の沿岸部にあったように、どこに暮らす人にも、きっと同じように6年という時間があったと思います。

私たちは、東京の学生だった2011年4月に初めて東北の沿岸部を訪れ、土地の人たちに助けられていく体験を通して、「ここで暮らしている人たちの声をどこかに届けたい」と考えるようになりました。そこで、時間や距離を越えて声を届けるひとつの方法として、「記録」に向き合いはじめます。 2012年春には岩手県沿岸南部に位置する陸前高田市に拠点を移し、その土地で暮らすことを選びました。私たちはただただ、形を変えていく風景を目の当たりにしながら、陸前高田の人たちに話を聞かせてもらいながら、そこにある日々のかたわらに身を置き続けました。私たちの作品は、その土地と、その土地に生きる人たちの声を拾おうとする一連の行為の集積と言えるかもしれません。私たちは、それらが土地の「記録」の一部となることを願い、また、声を届ける「表現」のひとつの形となるように、と考えています。

本巡回展は2014年冬に発表した「波のした、土のうえ」という作品群の展示を軸とし、それ以後から現在までの復興工事のさなかの風景を歩くなかで、時にはこれからを想像しながら、それぞれの巡回先であたらしい構成をつくり発表を重ねていくものです。そして同時に、訪れる土地で出会えるであろう人たちとの対話を願っています。

大津波に洗われた陸前高田に経過した時間と同じように、他の土地に流れた時間もまた、あの時誰もが予想したどれとも違うものであったでしょう。声を届けながら、声を受け取っていく。巡回の過程を通して、私たちの展覧会は有機的な運動をともない、更新されていきます。
大津波から7年目のある日に、あなたと出会えることを、たのしみにしています。

2017年4月 小森はるか+瀬尾夏美

 

会期中イベント

参加費各500円 申込不要、直接会場へ

会場:砂丘館ギャラリー(蔵)または和室

◾︎小森+瀬尾によるギャラリーツアー

2017年4月29日(土)14:00-15:00

 

◾︎トークイベント

2017年4月30日(日)14:00-16:00 

ゲスト:北野 央さん(仙台市市民文化事業団 主事)、

山崎麻里子さん(公益社団法人中越防災安全推進機構マネージャー)

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北野 央 (きたの・ひさし)

1980年北海道札幌市生まれ。仙台市市民文化事業団 主事。2011〜2017年まで、せんだいメディアテークが実施する東日本大震災の市民参加型アーカイブ事業「3がつ11にちをわすれないためにセンター」など、地域文化の記録活動のサポートと利活用の場づくりを主に担当する。

 

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山崎麻里子 (やまざき・まりこ)

1978年新潟県長岡市出身。2004年社団法人北陸建設弘済会,2008年NPO法人中越防災フロンティアを経て,2010年,(公社)中越防災安全推進機構に入社。2011年10月にオープンした「中越メモリアル回廊」の拠点施設「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」を担当。震災アーカイブ・伝承活動を行う。

 

 

◾︎アーティストトーク

2017年5月6日(土)14:00-15:30

登壇者:小森はるか+瀬尾夏美 聞き手:大倉 宏(砂丘館館長)

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photo 榎本千賀子

大倉 宏 (おおくら・ひろし)

美術評論家。砂丘館館長、新潟絵屋代表。1957年新潟県生まれ。85~97年新潟市美術館に学芸員として勤務後、フリーとなり、新潟を拠点に美術評論を行う。著書に『東京ノイズ』(アートヴィレッジ)、共著に『越佐の埋み火』(新潟日報事業社)、編集・構成に『洲之内徹の風景』(春秋社)。新潟大学、長岡造形大学講師。

 

 

◾︎トークイベント

2017年5月20日(土)15:00-17:00 

ゲスト:小林 茂さん(映画監督)、

旗野秀人さん(新潟水俣病安田患者の会事務局長)

小林茂2

photo 橋本紘二

小林 茂 (こばやし・しげる)

1954年新潟県南蒲原郡下田村生まれ。映画監督。足尾鉱毒、ハンセン病や水俣病患者救援活動に関わる。柳澤寿男監督の助監督のあと『阿賀に生きる』で日本映画撮影監督協会第1回JSC賞、監督作品『わたしの季節』で文化庁映画大賞などを受賞。最新作『風の波紋』が公開中。著書に『雪国の幻灯会へようこそ』(岩波書店)など多数。現在、長岡市在住。透析歴10年。和光大学教授。

 

 

旗野秀人2

旗野秀人 (はたの・ひでと)

1950年阿賀野市(旧安田町)生まれ。71年より家業の大工を継ぎながら、新潟水俣病未認定患者の運動に取り組む。水俣、阿賀、渡良瀬、草倉のお地蔵さんを建立。水俣病問題を文化運動として展開し、今日に至る。新潟水俣病安田患者の会事務局長、冥土のみやげ企画。ドキュメンタリー映画「阿賀に生きる」製作発起人、(株)旗野住研取締役社長。

 

 

 

◾︎てつがくカフェ 朗読会『二重のまち』

2017年5月21日(日)14:00-16:30

ファシリテーター:八木まどかさん

瀬尾夏美の作品『二重のまち』の朗読会のあと、対話の場・シネマてつがくカフェを開きます。休憩時にはお飲物、お菓子をご用意しております。

*てつがくカフェとは?
わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった問いを投げかけ、「対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。

*『二重のまち』とは?
瀬尾夏美によるテキスト。副題に「2031年、どこかで誰かが見るかもしれない風景」とあり、かさ上げや高台造成などでつくられた“あたらしいまち”と、はるか地の底となった“かつてのまち”を行き来しながら暮らしを紡ぐ人びとの姿が描かれています。

八木まどか

八木まどか (やぎ・まどか)

1990年生まれ、群馬県前橋市出身。東北大学大学院修了。2012年からてつがくカフェ@せんだいのスタッフとして、進行役などを務める。現在は会社員をしながら、関西でてつがくカフェを開く。

 

 

 

主催:砂丘館

共催:小森はるか+瀬尾夏美

デザイン:伊藤裕

ロゴデザイン:浅田大輔

助成:公益財団法人朝日新聞文化財団

協力:一般社団法人NOOK、せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター、てつがくカフェ@せんだい

感謝:阿部裕美さん、鈴木正春さん、紺野勝代さん、陸前高田のちっちゃな花菜(はな)畑のみなさま、陸前高田災害FM、佐々木農機、食堂かもん、大坂写真館、陸前高田のみなさま、住田町のみなさま

これまでの巡回地
第1回 2015.4.25-5.5 岩手県陸前高田市(喫茶 風)
第2回 2015.8.23-9.13 岩手県盛岡市(Cyg art gallery)
第3回 2016.1.9-1.31 兵庫県神戸市(KIITO)
第4回 2016.1.26-2.7 宮城県仙台市(Gallery TURNAROUND)
第5回 2016.2.20-3.6 福島県福島市(ギャラリー・オフグリッド)
第6回 2016.7.8-7.31 東京都千代田区御茶ノ水(ギャラリー蔵)
第7回 2017.1.8-1.18 兵庫県尼崎市(水堂須佐男神社)

 

<関連情報>

ドキュメンタリー映画「息の跡」(小森はるか)

スクリーンショット 2017-04-13 0.02.12

シネ・ウィンドで公開

http://ikinoato.com/theater/
上映期間:5月20日~6月2日
5/20(土)10:00の回終了後、小森舞台挨拶
会場・問合せ先:新潟・市民映画館 シネ・ウインド 025-243-5530

https://www.cinewind.com/

 

Seize the Uncertain Day – ふたしかなその日

小森はるか+瀬尾夏美 出品展覧会
「Seize the Uncertain Day – ふたしかなその日」展

「あたらしい地面|地底のうたを聴く」(2015)を展示します。

https://seize-the-uncertain-day.tumblr.com/

会期:2017年3月18日(土)〜4月5日(水)
会場:東京藝術大学大学美術館陳列館(東京都台東区上野公園12-8 美術学部校内)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(*但し 3月20日は開館、3月21日は閉館)
料金:無料
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
特別協賛:一般財団法人 カルチャー・ヴィジョン・ジャパン
問い合わせ:gaap.exhibition@gmail.com
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
特設ホームページ:https://seize-the-uncertain-day.tumblr.com/
監修:長谷川祐子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 教授)
共同キュレーター:内海潤也 黒沢聖覇 周浩 鈴木葉二 峰岸優香 宮内芽依 宮川緑
(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修士課程在籍)

展覧会コンセプト
本展タイトルは、「Seize the day(いまを生きろ)」という慣用句に「uncertain(ふたしかな)」を付加したものです。世界情勢が不安定ないま、〈そこにあるふたしかな日をそれでも生きる〉というしなやかで力強い姿勢が模索されています。本展で注目するのは、圧倒的な現実に向き合いながらも感情や心理の深いレベルでの新しいコミュニケーションの可能性を開いている「極私的ドキュメンタリー」。戦後日本の潮流において独自のスタイルを確立した作家の作品と、現在の不安定な社会状況に直面しながら制作を続ける若手作家たちの写真や映像、ドローイングを一堂に展示することで、「ふたしかさ」の上に展開される世界を提示します。本展が構成する「ふたしかなその日」を体感することで、流れゆく時代のなかで確かに受け継がれつつも揺れ動く「ふたしかさ」の息遣いに気づくことができるでしょう。

出展作家
荒木経惟/金村修/川内倫子/川久保ジョイ/城戸みゆき/小森はるか+瀬尾夏美/
篠田太郎/島田清夏/中平卓馬/楢橋朝子/林隆喜/久門剛史/百頭たけし/森山大道/
米田知子/弓削真由子/鷲尾和彦

会場構成
本展は3つのセクションによって構成されます。1階は「Section 1:夜 閃光とゆらめき」、階段は「Section2:断層」、そして2階は「Section3:朝——昼 円環と覚醒」です。1階から2階へとめぐるなかで、「ふたしかさ」の上に成り立つ世界を体験し、1970 年代から現在まで に共通する〈そこにあるふたしかな日をそれでも生きる〉というアーティストたちによる姿勢をみつめなおします。「夜」のパートでは、定量的ではない、より感覚的な時間の存在を見出し、一方「朝——昼」のパートでは、覚醒した意識の中で現実の「ふたしかさ」といま一度向き合い、世界との距離を測りなおす試みです。

巡回展 波のした、土のうえ in 尼崎

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展 波のした、土のうえ in 尼崎

Komori Haruka + Seo Natsumi

Traveling Exhibition
’’under the wave, on the ground’’ in AMAGASAKI

 

会期:2017年1月11日(水)- 1月18日(水)最終日は15:00まで

時間:10:00 – 19:00

※初日1月11日は12:00 OPEN/最終日1月18日は15:00 CLOSE

展示会場:水堂須佐男神社 社務所

住所:〒661-0026

兵庫県尼崎市水堂町1丁目25−7

入場料無料(一部イベントは有料)

 

お問い合わせ
お問い合わせ:komori.seo@gmail.com

電話番号:080-6972-8989

 

アクセス

JR立花駅から西へ徒歩10分

阪急武庫之荘駅から南へ徒歩15分

駐車場:境内に駐車可能(但し例祭時は駐車不可能)

※神社前の道路は東からの一方通行となっておりますのでご注意ください。

境内入口は南東側スロープよりお入りください。(道幅が狭いのでご注意ください)

https://www.google.co.jp/maps/place/%E6%B0%B4%E5%A0%82%E9%A0%88%E4%BD%90%E7%94%B7%E7%A5%9E%E7%A4%BE/@34.74014,135.392353,15z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0xabb631757a1fb80e!8m2!3d34.74014!4d135.392353


会期中イベント

申込不要・参加費各500円

トークイベント①

2017年1月14日(土)19:00-21:00 

登壇者:吉原大志さん、河野未央さん、上村武男さん、小森+瀬尾

 

%e5%90%89%e5%8e%9f%e5%86%99%e7%9c%9f吉原大志 Yoshihara Daishi

1984年生まれ。神戸市で生まれ育つ。大規模災害によって被災した歴史資料の保全と活用に取り組むボランティア団体「歴史資料ネットワーク」の活動に2009年から関わり、2016年より事務局長。被災資料を「どこでも・誰でも・簡単に」救うことができるよう、各地でワークショップを実施している。

 

%e6%b2%b3%e9%87%8e%e5%86%99%e7%9c%9f河野未央 Kono Mio

1976年生まれ。愛媛県生まれ、神戸市で育つ。神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター研究員、近大姫路大学教育学部助教等を経て現在尼崎市立地域研究史料館職員として勤務。地域の歴史を紡ぐ歴史資料の保全と活用に取り組んでいる。

 

 

%e4%b8%8a%e6%9d%91上村武男 Uemura Takeo

1943年生まれ。尼崎で生まれ育つ。作家、水堂須佐男神社名誉宮司。平成17年度尼崎市文化功労賞(文学)受賞。著書に詩歌、伝記、評論、写真集など。近著に『遠い道程 わが神職累代の記』がある。

 

 

 

トークイベント②

2017年1月15日(日)14:00-16:00 

登壇者:村上しほりさん、上村武男さん、小森+瀬尾

 

shihorimurakami村上しほり Murakami Shihori

1987年京都生まれ神戸育ち。人と防災未来センター 震災資料専門員、神戸大学大学院人間発達環境学研究科 研究員。都市史・社会史研究。神戸市出身、神戸大学大学院修了。博士(学術)。占領期神戸の戦災復興過程の社会・空間構造について研究。共著に『盛り場はヤミ市から生まれた』(青弓社、2013年)。現在は、占領期の語り継がれなかった地域の形成経緯と変容の契機について調査研究を進めている。

 

関連イベント

2017年1月17日(火)上映会「波のした、土のうえ」in長田

会場:角野邸(神戸市長田区駒ヶ林町 2 丁目 4 – 1)

アクセス:地下鉄海岸線 駒ヶ林駅から徒歩6分/JR新長田駅から徒歩15分

スケジュール:

12:00〜18:00 会場にてループ上映「波のした、土のうえ」

18:00〜 作品鑑賞をした方や地域住民を対象とした小森+瀬尾との交流会

 


主催:上村武男、小森はるか+瀬尾夏美、

特別協力:水堂須佐男神社

助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、アーツエイド東北・芸術文化支援事業

協力:一般社団法人NOOK、せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター、てつがくカフェ@せんだい


これまでの巡回地
第1回 2015.4.25-5.5 岩手県陸前高田市(喫茶 風)


第2回 2015.8.23-9.13 岩手県盛岡市(Cyg art gallery)


第3回 2016.1.9-1.31 兵庫県神戸市(KIITO)


第4回 2016.1.26-2.7 宮城県仙台市(Gallery TURNAROUND)


第5回 2016.2.20-3.6 福島県福島市(ギャラリー・オフグリッド)

第6回 2016.7.8-7.31 東京都千代田区御茶ノ水(ギャラリー蔵)

遠い火|山の終戦 東京展

小森はるか+瀬尾夏美 個展

「遠い火|山の終戦」

会期:2016年11月12日(土)- 12月11日(日)
Open:土・日・祝 13:00-20:00/木 15:00-21:00
*初日のみ 19:00-21:00
*1 2 月 9 日 (金) 15:00-21:00
*最終日 13:00-17:00
Close:月・火・水(11/23祝は除く)・金

入場料無料(イベントは有料)
展示会場:路地と人 東京都千代田区三崎町2-15-9 木暮ビル2

アクセス
JR水道橋駅西口より徒歩3分

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お問い合わせ
路地と人(片桐)rojitohito@gmail.com

 

会期中イベント
小森はるか+瀬尾夏美|オープニング・トーク
11月12日(土)19:00- (参加費 500円)

トークイベント
12月9日(金)19:00- (参加費 500円)
登壇:山本唯人氏、小森+瀬尾

ゲストプロフィール
山本唯人氏 1972年東京生まれ。専攻社会学(都市研究、空襲・災害研究)。青山学院女子短期大学助教、東京大空襲・戦災資料センター主任研究員。

 


「遠い火|山の終戦」によせて

岩手県陸前高田市と宮城県伊具郡丸森町を中心に訪ね、終戦の前後についてのお話を聞いて歩いた。なぜ終戦について話を聞いたのかと言えば、あるおじいさんに出会ったとき、彼が「話したい」と言ってくれたからである。彼は、宮城県の山間地、伊具郡丸森町の人であった。

彼に、なぜ私たちにそのことを話したかったのかと問うと、

「俺が今にいねぐなるとす、戦死しった兄貴のごどを知っでる人が誰もいねぐねってすまうがらねゎ。それが悔すぃ。」

と言う。死者について語る人に、津波のあとの陸前高田で、幾人も出会った。語りとは、今は存在しない人間を別の誰かの中に生きさせるような行為、あるいはそのような願い、かもしれない。

そ のようなきっかけがあって、おじいさんの話を聞いた。おじいさんの話を聞いていると、当時少年だった彼の姿が目に浮かぶようだった。幾度となく思い返 し、語っているからだろうか。彼はまるで、ひとつひとつを追体験しながら、目の前に浮かんでいることを、ことばで描写していくように話した。70年経って も鮮やかな記憶の地点が、そこにあった。そのような地点は、大きな出来事の周りに点在するのかもしれない、という予感がした。その後、終戦の前後の記憶の ある人(そのくらいの年齢の人、とも言える)に出会えば、ちょっとしたお茶飲み話をゆっくり聞くようにして、そのなかで、その頃の話を聞くようになった。

私たちが今回主に話を聞いた2つの土地は山間地(陸前高田にも山際の集落がある)であり、お話を聞かせていただいた方々の年齢層も自ずと近しくなってくる。

すると、共通点と言えそうな事柄が、ふたつ浮き出て来た。

ひ とつは、お別れの風景。兵隊さんを見送った光景、その場所。その多くは、駅やバスの停留所であった。山間地のちいさな集落では、直接的な戦火は見えな い。けれど、線路の先、道路の先に、出征していく兵隊さんの姿が消えていったとき、戦地は確かに地続きであるということ、彼らがもう会うことも出来ない遠 い存在となる可能性を強く思うのだ、と。またそれらの場所は同時に、戦死者の遺骨を迎え入れる場でもあった。

お話を聞いたあと、時間があれば、お別れと迎え入れのその場所に連れて行ってもらった。風景は70年の時を経て、確かに変わる。けれど、必ずどこかにその姿の片鱗を抱えている。思い出して話すという経験によって、彼らの目は、それを風景から探すようになる。

「ああ、ここだここだ、確かに残っていだったねゎ。」

彼らは、それを見つけては、目を細めていた。

も うひとつは、彼らは幼少期に体験したそのことを、70年の間にさまざまな立場に立って、繰り返し体験し直しているということ。自分が母親になったとき、 教師になったとき、孫を持ったとき。年を重ねるごとに、あのときあの人はどう思っていたのだろう、ということを考える。例えば、軍国少女だった自分が、出 征する兄の姿を見ながら泣いている母親を叱責した、というエピソード。その後ガラリと価値観が変わった社会で思春期を過ごし、自分が母親になったとき、改 めて、子を戦地にやる母親の気持ちを思う。当時の自分を全否定する訳でも、母親への怒りがすべて消える訳でもない。でももう一度思い返して、立つ場所を微 妙にずらして、辺りをじっと見直す。(戦後、とてつもない価値観の変化をどのように受け止めましたか?と問うたとき、彼女はこうも答えている——「人間は 思うよりもたくますぃもんだ、というごどさ。昨日までのことが全て嘘だどなって世界が変わっても、それに合わせるもんなのさ。何よりかにより、生きていぐ こと、だから。思想どか価値よりも、生ぎるごどがあるからねゎ。」——そのうえで、と言うことなのだと思う)そして、語る。幾度となく更新され、変化をし 続けているであろう語り。いま私たちが聞かせてもらっている語りは、いったいどういうものだろう、とも思う。誰の、実際の、ということが本当の問題なので はないだろう、という直感がある。そして、彼らが更新して来た語りが孕むズレのようなものにこそ、他者が過去を想起し得る余白がある、とも思う。

私 たちが出会えるのは、現在にある風景と語りでしかない。そこから、かつてのことを思い浮かべる方法として、いくつかの語りと目の前にあるいくつもの風景 から、点在するようにある視座を得て、辛うじて像を結んでいく、ということがあるような気がしてならない。史実を記録し直したい訳ではない。誰かの主張を 助長したい訳でもない。かつてそこにあった風景を、いま、見たいと思う。その像が結ばれるような場を、つくりたいと思う。その像はおそらく私や、鑑賞者の 身体の中で結ばれるべきものである。ズレをゆったりと孕みながら。

鮮やかな記憶の折り重なりの先にある風景は、いったいどのようなものだったろう。語りによって手渡された何やら大切なそれを、出来るだけ精確に誰かに渡せる方法を、その地点を、と思う。

2016/05/21

小森はるか+瀬尾夏美

大地に立って空を見上げてー風景のなかの現代作家

瀬尾夏美が出品しております。

期間:2016年10月8日(土)-12月4日(日)

時間午前9時30分-午後5時  ※入館は閉館30分前まで

休館日:毎週月曜日(ただし10月10日(月・祝)は開館)、10月11日(火)

会場:群馬県立館林美術館 〒374-0076 群馬県館林市日向町2003

公式ホームページ http://www.gmat.pref.gunma.jp/ex/exnow.html

一般820円(650円)、大高生410円(320円)   ※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※県民の日(10/28)の観覧は無料。
※震災で避難されてきた方は無料で観覧できますので、受付でお申し出ください。

[出品作家]
秋山さやか/ALIMO/スタン・アンダソン/笹井青依/笹岡啓子/
瀬尾夏美/中西信洋/日比野克彦/シンゴ ヨシダ

関東地方のほぼ中心に位置し、利根川と渡良瀬川に囲まれた、起伏のない平坦な大地が広がる館林。このランドスケープの特徴を活かして設計デザインされた当館は、敷地の中央に広大な緑の前庭を据えています。ここに立ってみると、遮られることなく広がる大地と空が、土地の特性を示すとともに、まっさらなカンヴァスのように人の内面や物語を映し出す抽象空間ともなることに気づかされるでしょう。
本展は、当館をとりまくこの風景を舞台装置として、自然のなかに身を置き、風景へとまなざしを向け、大地にイマジネーションを託す9人の作家をとり上げます。作家の身体や感覚、想像を介して導き出された絵画、写真、映像やインスタレーション、あるいは来館者が参加して作り上げていく作品は、この風景のイメージとどのように感応するでしょうか。人間の生死、文化や歴史とつながる現実あるいは想像の風景、そして風景をつくる人と自然の働きと時の流れについて、考える場にしたいと思います。
さらに本展では、館林のまちなかの建物と風景の再発見・再利用を提案するプロジェクトを紹介する他、会期中には様々なトークイベントとワークショップを行います。

 

会期中イベント

小森はるか+瀬尾夏美「波のした、土のうえ」上映会+アーティスト・トーク
(申込不要・要観覧料)
出品作家の瀬尾夏美氏と映像作家の小森はるか氏による、震災後の陸前高田の風景と人々を記録した映像作品を上映し、展示室にてアーティスト・トークを行います。

詳細はこちらをご覧ください。

日時:11/13(日) 午後1時30分-3時30分
会場:講堂、展示室

遠い火|山の終戦 仙台展

小森はるか+瀬尾夏美 個展

「遠い火|山の終戦」

会期:2016年8月10日(水)- 8月17日(水)
時間:11:00 – 19:00 ※最終日は15:00まで
展示会場:light source
住所:〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町5-27

入場料無料(イベントは有料)

お問い合わせ
komori.seo@gmail.com

アクセス
・地下鉄匂台公園駅下車[公園2]出口より徒歩3分。
・JR仙台駅西口バスプール29番乗り場発着バス路線[定禅寺通経由交通局大学病院]行き乗車/メディアテーク前で 下車。徒歩1分。
・専用駐車場はございません。お車の場合には最寄りの一般有料駐車場をご利用ください。

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会期中イベント
2016年8月11日(木・祝) 14:00〜
予約不要、参加費500円
「終戦のころを語らう」
ゲスト:小野和子さん、佐々木健さん、松崎せつ子さん、佐藤秀夫さん


「遠い火|山の終戦」によせて

岩手県陸前高田市と宮城県伊具郡丸森町を中心に訪ね、終戦の前後についてのお話を聞いて歩いた。なぜ終戦について話を聞いたのかと言えば、あるおじいさんに出会ったとき、彼が「話したい」と言ってくれたからである。彼は、宮城県の山間地、伊具郡丸森町の人であった。

彼に、なぜ私たちにそのことを話したかったのかと問うと、

「俺が今にいねぐなるとす、戦死しった兄貴のごどを知っでる人が誰もいねぐねってすまうがらねゎ。それが悔すぃ。」

と言う。死者について語る人に、津波のあとの陸前高田で、幾人も出会った。語りとは、今は存在しない人間を別の誰かの中に生きさせるような行為、あるいはそのような願い、かもしれない。

そ のようなきっかけがあって、おじいさんの話を聞いた。おじいさんの話を聞いていると、当時少年だった彼の姿が目に浮かぶようだった。幾度となく思い返 し、語っているからだろうか。彼はまるで、ひとつひとつを追体験しながら、目の前に浮かんでいることを、ことばで描写していくように話した。70年経って も鮮やかな記憶の地点が、そこにあった。そのような地点は、大きな出来事の周りに点在するのかもしれない、という予感がした。その後、終戦の前後の記憶の ある人(そのくらいの年齢の人、とも言える)に出会えば、ちょっとしたお茶飲み話をゆっくり聞くようにして、そのなかで、その頃の話を聞くようになった。

私たちが今回主に話を聞いた2つの土地は山間地(陸前高田にも山際の集落がある)であり、お話を聞かせていただいた方々の年齢層も自ずと近しくなってくる。

すると、共通点と言えそうな事柄が、ふたつ浮き出て来た。

ひ とつは、お別れの風景。兵隊さんを見送った光景、その場所。その多くは、駅やバスの停留所であった。山間地のちいさな集落では、直接的な戦火は見えな い。けれど、線路の先、道路の先に、出征していく兵隊さんの姿が消えていったとき、戦地は確かに地続きであるということ、彼らがもう会うことも出来ない遠 い存在となる可能性を強く思うのだ、と。またそれらの場所は同時に、戦死者の遺骨を迎え入れる場でもあった。

お話を聞いたあと、時間があれば、お別れと迎え入れのその場所に連れて行ってもらった。風景は70年の時を経て、確かに変わる。けれど、必ずどこかにその姿の片鱗を抱えている。思い出して話すという経験によって、彼らの目は、それを風景から探すようになる。

「ああ、ここだここだ、確かに残っていだったねゎ。」

彼らは、それを見つけては、目を細めていた。

も うひとつは、彼らは幼少期に体験したそのことを、70年の間にさまざまな立場に立って、繰り返し体験し直しているということ。自分が母親になったとき、 教師になったとき、孫を持ったとき。年を重ねるごとに、あのときあの人はどう思っていたのだろう、ということを考える。例えば、軍国少女だった自分が、出 征する兄の姿を見ながら泣いている母親を叱責した、というエピソード。その後ガラリと価値観が変わった社会で思春期を過ごし、自分が母親になったとき、改 めて、子を戦地にやる母親の気持ちを思う。当時の自分を全否定する訳でも、母親への怒りがすべて消える訳でもない。でももう一度思い返して、立つ場所を微 妙にずらして、辺りをじっと見直す。(戦後、とてつもない価値観の変化をどのように受け止めましたか?と問うたとき、彼女はこうも答えている——「人間は 思うよりもたくますぃもんだ、というごどさ。昨日までのことが全て嘘だどなって世界が変わっても、それに合わせるもんなのさ。何よりかにより、生きていぐ こと、だから。思想どか価値よりも、生ぎるごどがあるからねゎ。」——そのうえで、と言うことなのだと思う)そして、語る。幾度となく更新され、変化をし 続けているであろう語り。いま私たちが聞かせてもらっている語りは、いったいどういうものだろう、とも思う。誰の、実際の、ということが本当の問題なので はないだろう、という直感がある。そして、彼らが更新して来た語りが孕むズレのようなものにこそ、他者が過去を想起し得る余白がある、とも思う。

私 たちが出会えるのは、現在にある風景と語りでしかない。そこから、かつてのことを思い浮かべる方法として、いくつかの語りと目の前にあるいくつもの風景 から、点在するようにある視座を得て、辛うじて像を結んでいく、ということがあるような気がしてならない。史実を記録し直したい訳ではない。誰かの主張を 助長したい訳でもない。かつてそこにあった風景を、いま、見たいと思う。その像が結ばれるような場を、つくりたいと思う。その像はおそらく私や、鑑賞者の 身体の中で結ばれるべきものである。ズレをゆったりと孕みながら。

鮮やかな記憶の折り重なりの先にある風景は、いったいどのようなものだったろう。語りによって手渡された何やら大切なそれを、出来るだけ精確に誰かに渡せる方法を、その地点を、と思う。

2016/05/21

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展「波のした、土のうえ」in東京

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展 波のした、土のうえ in 東京

Komori Haruka + Seo Natsumi

Traveling Exhibition
’’under the wave, on the ground’’ in TOKYO

会期:2016年7月8日(金)- 7月31日(日)
時間:平日11:00 – 19:00 土日祝 10:30 – 18:30
展示会場:Gallery蔵
イベント会場:お茶ナビゲート
住所:〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台4-6御茶ノ水ソラシティB1F
入場料無料(一部イベントは有料)

お問い合わせ
お茶ナビゲート TEL:03-3525-4190
定休日:火曜日※お茶ナビゲートは火曜定休ですが、Gallery蔵は開館いたします。

アクセス
JR御茶ノ水駅 聖橋口 徒歩2分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 聖橋方面改札 徒歩2分

スクリーンショット 2016-06-22 7.45.01

 

 

 

 

 

 


大津波から5年あまりが経ちます。津波に洗われた東北の沿岸部にあったように、どこに暮らす人にも、きっと同じように5年あまりという時間があったと思います。

私たちは、東京の学生だった2011年4月に初めて東北の沿岸部を訪れ、地域の人たちに助けられていく体験を通して、「ここで生きている人たちの声を誰かに届けたい」と考えるようになりました。そこで、時間や距離を越えて声を届けるひとつの方法として、「記録」に向き合い始めます。 2012年春には岩手県沿岸南部に位置する陸前高田市に拠点を移し、その土地で暮らすことを選びました。私たちはただただ、形を変えていく風景を目の当た りにしながら、陸前高田の人たちに話を聞かせてもらいながら、ここにある日々のかたわらに身を置き続けました。私たちの作品は、この土地と、この土地に生 きる人たちの声を拾おうとする一連の行為の集積と言えるかもしれません。同時にそれらが土地の記録の一部となり、声を届ける媒体になろうとする「表現」の ひとつの形になるように、と考えています。

本巡回展は2014年冬に発表した「波のした、土のうえ」という作品群の展示を軸にし、それ以後から現在までの復興工事のさなかにある風景を取り入れつつ、そ れぞれの巡回先であたらしい構成をつくりながら発表していくものです。そして同時に、訪れる土地で出会えるであろう人たちとの対話を願っています。大津波に 洗われた陸前高田に経過した時間と同じように、他の土地に流れた時間もまた、あの時誰もが予想したどれとも違うものであったでしょう。声を届けながら、声 を受け取っていく。巡回の過程を通して、私たちの展覧会は有機的な運動をともない、更新されていきます。

大津波から6年目のある日に、あなたと出会えることを、たのしみにしています。

2016年7月 小森はるか+瀬尾夏美

 


 

会期中イベント

申込不要・参加費各500円・定員30名(会場:お茶ナビゲート)

◾︎オープニングイベント

2016年7月8日(金)19:00-21:00

ゲスト:高野明彦さん(特定非営利活動法人連想出版理事長)

中村佳史さん(株式会社HUMIコンサルティング代表取締役)

※ 終了後、簡単なオープニングパーティを開催する予定です(ワンドリンク付き)

2P-3P

高野明彦|Takano Akihiko
1956年新潟生まれ、神奈川育ち。特定非営利活動法人連想出版理事長。東大数学科卒。博士(理学)。電機メーカー研究所に20年間勤務の後、2001年より国立情報学研究所教授。2002年より東大大学院教授併任。

 

 

nakamura

中村佳史|Nakamura Yoshifumi
1976年福岡・小倉生まれ。特定非営利活動法人連想出版理事/株式会社HUMIコンサルティング代表取締役。慶大史学科卒。ミュージアムの展示や図書館の情報発信、地域アーカイブを活用した教育プログラム等、文化事業のコーディネータ。

 

 

◾︎トークイベント①

2016年7月10日(日)14:00-16:00 

ゲスト:佐藤徳政さん(クリエイティブ集団 FIVED代表)

sato

佐藤徳政|Sato Tokumasa

1981年生まれ、陸前高田市高田町出身。会社員。「うごく七夕まつり」森前組有志会代表。五本松有志会会長。クリエイティブ集団 FIVED代表。震災により家族(祖母、母、妹)を失う。生まれ育った森の前地区は187世帯が全壊し、町内会も解散。2013年、誇りを胸に不可能と言 われた祭の復活に尽力。毎年、思考を巡らせ舵を取る。また、現在かさ上げが進む中、【五本松】の記憶を取り巻く伝承にも取り組む。伝統や文化を通して「命 の鼓動」を様々な切り口で次世代につなぎ、視野を広く持ち、陸前高田を軸にクリエイティブな聖地構築を志す。

 

◾︎トークイベント②

2016年7月17日(日)14:00-16:00 

ゲスト:O JUNさん(画家)

ojun

O JUN|オウ ジュン

1956年東京生まれ。画家。東京芸術大学大学院美術研究科油絵専攻修士課程修了。バルセロナ、デュッセルドルフなどでの滞在・制作を経て、現在東京芸術大学美術学部教授。近年の主な展覧会に、個展「飛び立つ鳩に、驚く私」ミヅマアートギャラリー/東京、個展「まんまんちゃん、あん」国際芸術センター青森/青森、「O JUN Chikanobu ISHIDA 14days 119years later」/ロンドン、個展「描く児」府中市美術館/東京など多数。また、国立国際美術館/大阪、東京都現代美術館/東京などのパブリックコレクションにも所蔵されている。

 

◾︎トークイベント③

2016年7月26日(火)19:00-21:00 

ゲスト:清水チナツさん(せんだいメディアテーク学芸員)

shimizu

清水チナツ|Shimizu Chinatsu
1983年福岡県北九州生まれ。せんだいメディアテーク学芸員。大学卒業後、NPO法人Art Institute Kitakyushuに所属し、地元作家の展覧会の企画運営を行う。その後、インディペンデントキュレーター遠藤水城とともにインドネシアのアートシーン調査、CREAMヨコハマ国際映像祭アシスタントキュレーター、東京・神保町「路地と人」運営メンバーを経て、現職。メディアテークでは、市民(在野の学習者)とともに展覧会企画制作/メディアセンター運営/フリーペーパーや書籍の編集/対話の場づくり/伝承民話の記録活動にとりくんでいる。NPO remoメンバー。

 

◾︎トークイベント④

2016年7月30日(土)14:00-16:00 

ゲスト:浅野希梨さん(KiNoKuMaYA主宰)

高森順子さん(阪神大震災を記録しつづける会事務局長)

asano

浅野希梨|Asano Kiri

1983年福島生まれ。KiNoKuMaYA主宰。2011年以後、福島でおこる表現にこだわり、表現者と参加者が交わる場づくりを軸に舞台等の企画プロデュースを 行う。2016年から赤坂憲雄氏、小森はるか+瀬尾夏美らと共にアートを介した交流の場“オフグリッドサロン”を運営。人々の生活スタイルに寄り添った文 化や領域横断的な地方型表現活動のあり方を模索してコーディネーターとしても活動している。

 

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高森順子|Takamori Junko

1984 年兵庫県神戸市生まれ。公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構研究員。2010年より手記集制作を行う「阪神大震災を記録しつづける会」事務局 長。2011年より3年間「人と防災未来センター」において震災資料を収集、保存、公開、展示する実務を担当。現在、大阪大学大学院博士後期課程に在籍 し、災害伝承に関するフィールドワークを継続している。専門はグループ・ダイナミックス。

 

 

◾︎てつがくカフェ 朗読会『二重のまち』

2016年7月23日(土)13:30-17:30 

ファシリテーター:西村高宏さん
ファシリテーショングラフィック:近田真美子さん

瀬尾夏美の作品『二重のまち』の朗読会のあと、対話の場・シネマてつがくカフェを開きます。休憩時にはお飲物、お菓子をご用意しております。

*てつがくカフェとは?
わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった問いを投げかけ、「対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。

*『二重のまち』とは?
瀬尾夏美によるテキスト。副題に「2031年、どこかで誰かが見るかもしれない風景」とあり、かさ上げや高台造成などでつくられた“あたらしいまち”と、はるか地の底となった“かつてのまち”を行き来しながら暮らしを紡ぐ人びとの姿が描かれています。

>>『二重のまち』

nishimura西村高宏|Nishimura Takahiro

福井大学医学部准教授。「てつがくカフェ@せんだい」主宰。専門は臨床哲学。哲学以外の研究者や様々な職業従事者と連携し、医療や教育、科学技 術、政治、アートなどのうちに潜む哲学的な諸問題を読み解く活動をおこなう。2011年3月11日以降は、せんだいメディアテークと連携しながら、震災と いう出来事を自分たちの言葉で語り直す場を拓いている。

 

konda近田真美子|Konda Mamiko

東北福祉大学講師。「てつがくカフェ@せんだい」スタッフ。専門は精神看護学。精神科をはじめ外科病棟やICU病棟にて看護師として働いた後、看 護教育に携わる。てつがくカフェ@せんだいのスタッフとして主にファシリテーション・グラフィックを担当している。また、西村高宏氏とともに、医療とケア をテーマに据えたてつがくカフェ「医療とケアを問い直す」を立ち上げ、哲学的対話実践の場を拓いている。

 

 


主催:特定非営利活動法人連想出版、小森はるか+瀬尾夏美
特別協力:株式会社HUMIコンサルティング
チラシデザイン:伊藤裕
記録:一般社団法人NOOK
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、アーツエイド東北・芸術文化支援事業
協力:一般社団法人NOOK、せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター、てつがくカフェ@せんだい
感謝:阿部裕美さん、鈴木正春さん、紺野勝代さん、陸前高田のちっちゃな花菜(はな)畑のみなさま、陸前高田災害FM、佐々木農機、食堂かもん、大坂写真館、陸前高田のみなさま


これまでの巡回地
第1回 2015.4.25-5.5 岩手県陸前高田市(喫茶 風)
第2回 2015.8.23-9.13 岩手県盛岡市(Cyg art gallery)
第3回 2016.1.9-1.31 兵庫県神戸市(KIITO)
第4回 2016.1.26-2.7 宮城県仙台市(Gallery TURNAROUND)
第5回 2016.2.20-3.6 福島県福島市(ギャラリー・オフグリッド)

 

 

GROUP SHOW「やかましい鐘」

http://galleryhashimoto.jp/jp/exhibitions/

|会 期|2016年6月11日(土) -2016年 6月25日(土)

|時 間|12:00-19:00 *日月祝休廊

|入場料|無料

|会 場|GALLERY HASHIMOTO
〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル2F

|展覧会参加者|
青木野枝、開発好明、津上みゆみ、百瀬文、Edition R、小森はるか+瀬尾夏美

※オープニングレセプションの予定はありません。
1部200円でパンフレットを販売致します。

記述の技術 Art of Description

会期: 2016.5.21(土)~6.12(日)
時間: 平日 13:00~20:00/土日祝 12:30~20:00 *会期中無休
会場: ARTZONE

企画: 京都造形芸術大学プロデュース学科
http://artzone.jp/?p=2475

アクセス

ARTZONE(アートゾーン)
〒604 8031 京都市中京区 河原町三条下ル一筋目東入ル大黒町44 VOXビル1・2F
Telephone: 075 212 9676 E-Mail: info@artzone.jp
電車: 京阪電車「三条駅」または地下鉄「京都市役所前駅」から徒歩5分 阪急電鉄「河原町駅」から徒歩10分
バス: 市バス3・5系統「河原町三条」から徒歩1分
※駐車場・駐輪場はございませんので、上記の公共交通機関などをご利用ください。

出品作家
小森はるか+瀬尾夏美、佐々木友輔、髙橋耕平

企画
林田新(京都造形芸術大学専任講師)、櫻井拓(編集者)

展覧会スタッフ
山崎秀隆、市下純子、島田真親(アートプロデュース学科3回生)
河野彩子、呉屋直、齋藤智美、森脇盟子、山崎汐莉香(同学科2回生)

関連イベント
◎アーティストトーク

日時:5月21日(土)18:00〜20:00

場所:MEDIA SHOP

入場料:500円(京都造形芸術大学の生徒は学生証提示で無料)

 


「遠い火|山の終戦」によせて

岩手県陸前高田市と宮城県伊具郡丸森町を中心に訪ね、終戦の前後についてのお話を聞いて歩いた。なぜ終戦について話を聞いたのかと言えば、あるおじいさんに出会ったとき、彼が「話したい」と言ってくれたからである。彼は、宮城県の山間地、伊具郡丸森町の人であった。

彼に、なぜ私たちにそのことを話したかったのかと問うと、

「俺が今にいねぐなるとす、戦死しった兄貴のごどを知っでる人が誰もいねぐねってすまうがらねゎ。それが悔すぃ。」

と言う。死者について語る人に、津波のあとの陸前高田で、幾人も出会った。語りとは、今は存在しない人間を別の誰かの中に生きさせるような行為、あるいはそのような願い、かもしれない。

そのようなきっかけがあって、おじいさんの話を聞いた。おじいさんの話を聞いていると、当時少年だった彼の姿が目に浮かぶようだった。幾度となく思い返 し、語っているからだろうか。彼はまるで、ひとつひとつを追体験しながら、目の前に浮かんでいることを、ことばで描写していくように話した。70年経って も鮮やかな記憶の地点が、そこにあった。そのような地点は、大きな出来事の周りに点在するのかもしれない、という予感がした。その後、終戦の前後の記憶の ある人(そのくらいの年齢の人、とも言える)に出会えば、ちょっとしたお茶飲み話をゆっくり聞くようにして、そのなかで、その頃の話を聞くようになった。

私たちが今回主に話を聞いた2つの土地は山間地(陸前高田にも山際の集落がある)であり、お話を聞かせていただいた方々の年齢層も自ずと近しくなってくる。

すると、共通点と言えそうな事柄が、ふたつ浮き出て来た。

ひとつは、お別れの風景。兵隊さんを見送った光景、その場所。その多くは、駅やバスの停留所であった。山間地のちいさな集落では、直接的な戦火は見えな い。けれど、線路の先、道路の先に、出征していく兵隊さんの姿が消えていったとき、戦地は確かに地続きであるということ、彼らがもう会うことも出来ない遠 い存在となる可能性を強く思うのだ、と。またそれらの場所は同時に、戦死者の遺骨を迎え入れる場でもあった。

お話を聞いたあと、時間があれば、お別れと迎え入れのその場所に連れて行ってもらった。風景は70年の時を経て、確かに変わる。けれど、必ずどこかにその姿の片鱗を抱えている。思い出して話すという経験によって、彼らの目は、それを風景から探すようになる。

「ああ、ここだここだ、確かに残っていだったねゎ。」

彼らは、それを見つけては、目を細めていた。

もうひとつは、彼らは幼少期に体験したそのことを、70年の間にさまざまな立場に立って、繰り返し体験し直しているということ。自分が母親になったとき、 教師になったとき、孫を持ったとき。年を重ねるごとに、あのときあの人はどう思っていたのだろう、ということを考える。例えば、軍国少女だった自分が、出 征する兄の姿を見ながら泣いている母親を叱責した、というエピソード。その後ガラリと価値観が変わった社会で思春期を過ごし、自分が母親になったとき、改 めて、子を戦地にやる母親の気持ちを思う。当時の自分を全否定する訳でも、母親への怒りがすべて消える訳でもない。でももう一度思い返して、立つ場所を微 妙にずらして、辺りをじっと見直す。(戦後、とてつもない価値観の変化をどのように受け止めましたか?と問うたとき、彼女はこうも答えている——「人間は 思うよりもたくますぃもんだ、というごどさ。昨日までのことが全て嘘だどなって世界が変わっても、それに合わせるもんなのさ。何よりかにより、生きていぐ こと、だから。思想どか価値よりも、生ぎるごどがあるからねゎ。」——そのうえで、と言うことなのだと思う)そして、語る。幾度となく更新され、変化をし 続けているであろう語り。いま私たちが聞かせてもらっている語りは、いったいどういうものだろう、とも思う。誰の、実際の、ということが本当の問題なので はないだろう、という直感がある。そして、彼らが更新して来た語りが孕むズレのようなものにこそ、他者が過去を想起し得る余白がある、とも思う。

私たちが出会えるのは、現在にある風景と語りでしかない。そこから、かつてのことを思い浮かべる方法として、いくつかの語りと目の前にあるいくつもの風景 から、点在するようにある視座を得て、辛うじて像を結んでいく、ということがあるような気がしてならない。史実を記録し直したい訳ではない。誰かの主張を 助長したい訳でもない。かつてそこにあった風景を、いま、見たいと思う。その像が結ばれるような場を、つくりたいと思う。その像はおそらく私や、鑑賞者の 身体の中で結ばれるべきものである。ズレをゆったりと孕みながら。

鮮やかな記憶の折り重なりの先にある風景は、いったいどのようなものだったろう。語りによって手渡された何やら大切なそれを、出来るだけ精確に誰かに渡せる方法を、その地点を、と思う。

2016/05/21

小森はるか+瀬尾夏美

 

 

 

 

巡回展「波のした、土のうえ」in福島

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展 波のした、土のうえ in福島

Komori Haruka + Seo Natsumi

Traveling Exhibition
’’under the wave, on the ground’’ in Fukushima

会期:2016年2月20日(土)- 3月6日(日)

時間:10:00 – 18:00(金土日20:00まで)

入場料:無料

会場:ギャラリーオフグリッド

住所:福島市荒町4-7 県庁南再エネビル2F

JR福島駅より徒歩15分。福島県庁南の天神橋手前。

※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用ください。

 

お問い合わせ先:KiNoKuMaYA

MAIL:kinokumaya3@gmail.com

WEB:http://kinokumaya.wix.com/kinokumaya

巡回展サイト:http://komori-seo.main.jp/namitsuchi

 

**会期中特別ランチ**

県庁南再エネビル1階スペースにて特別ランチ販売。不定休。

regaletto(レガレット)提供


共催:KiNoKuMaYA、小森はるか+瀬尾夏美

デザイン:住吉あゆみ

展示設営:酒井耕、関本欣哉

記録:一般社団法人NOOK

助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、企業メセナ協議会GBfund、公益財団法人野村財団、公益信託うつくしま基金

後援:ギャラリー・オフグリッド運営委員会、飯舘電力株式会社

協力:趙純恵、一般社団法人NOOK、せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター、てつがくカフェ@せんだい、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト、Japanese Wine Bar regaletto

感謝:阿部裕美さん、鈴木正春さん、紺野勝代さん、陸前高田のちっちゃな花菜(はな)畑のみなさま、陸前高田災害FM、佐々木農機、食堂かもん、大坂写真館、佐藤たね屋、陸前高田のみなさま、住田町のみなさま

 

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巡回展「波のした、土のうえ」概要

大津波からもうすぐ5年が経ちます。津波に洗われた東北の沿岸部にあったように、どこに暮らす人にも、きっと同じように5年という時間があったと思います。

私たちは東京の学生だった2011年4月に初めて東北の沿岸部を訪れ、地域の人たちに助けられていく体験を通して、「ここで生きている人たちの声を誰かに届けたい」と考えるようになりました。そこで、時間や距離を越えて声を届けるひとつの方法として、「記録」に向き合い始めます。 2012年春には岩手県沿岸南部に位置する陸前高田市に拠点を移し、その土地で暮らすことを選びました。

私たちはただただ、日々変わっていく風景を目の当たりにしながら、陸前高田の人たちに話を聞かせてもらいながら、およそ5年間の移り変わりのかたわらに身を置き続けました。私たちの作品は、この土地と、この土地に生きる人たちの声を拾おうとする一連の行為の集積と言えるかもしれません。同時にそれらが土地の記録の一部となり、声を届ける媒体になろうとする「表現」のひとつの形になるように、と考えています。

本巡回展は2014年冬に発表した「波のした、土のうえ」という作品群の展示を軸とするとともに、訪れる土地で出会う人たちとの対話を目的としています。大津波に洗われた陸前高田に経過した時間と同じように、他の土地に流れた時間もまた、あの時誰もが予想したどれとも違うものだっただろうと思います。声を届けながら、声を受け取っていく。巡回の過程を通して、私たちの展覧会は有機的な運動をともない、更新されていきます。

大津波から5年目のある日に、ここ、福島で、あなたと出会えることをたのしみにしています。

 

2015年2月 小森はるか+瀬尾夏美

 

 

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関連イベント

◾︎オープニングパーティー

2016年2月20日(土)16:00-17:30 ※時間が変更になりました

ケータリング:ふうろ

参加費1000円/軽食・1ドリンク付

 

◾︎トークイベント①

(すべて申し込み不要、参加費無料)

2016年2月20日(土)14:00-16:00 

ゲスト:椹木野衣氏(美術批評家)、赤坂憲雄氏(民俗学者)

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椹木野衣|Sawaragi Noi

1962年秩父市生まれ。美術批評家、多摩美術大学教授、芸術人類学研究所所員。主著『増補シミュレーショニズム』(ちくま学芸文庫)、『日本・現代・美術』(新潮社)、『太郎と爆発 来るべき岡本太郎へ』(河出書房新社)ほか。1999年に水戸芸術館で「日本ゼロ年」展をゲスト・キュレーション。2015年に『後美術論』(美術出版社)で第25回吉田秀和賞受賞。同年『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書)、『戦争画とニッポン』(会田誠との共著、講談社)、『日本美術全集 第19巻 拡張する戦後美術(責任編集、小学館)など刊行。「グランギニョル未来」の一員として福島県の帰還困難区域内で開催中の展覧会「Don’t Follow the Wind」にも参加している。

 

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赤坂憲雄|Akasaka Norio

1953年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。東北芸術工科大学教授、同大東北文化研究センター所長などを経て、現在、福島県立博物館長。学習院大学教授。民俗学、日本思想史を研究。1999年『東北学』を創刊。2011年4月、東日本大震災復興構想会議委員就任。5月、福島県復興ビジョン検討委員会委員就任。6月、南相馬市の復興ビジョン会議委員就任。著書に、『岡本太郎の見た日本』(ドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞、岩波書店)、『東北学/忘れられた東北』『岡本太郎という思想』(講談社)ほか多数。

 

◾︎トークイベント②

2016年2月21日(日)14:00-16:00 

ゲスト:山内明美氏(社会学者)、赤坂憲雄氏(民俗学者)

yamauchi

山内明美|Yamauchi Akemi

宮城県南三陸町生まれ。社会学者、大正大学特命准教授。専攻は歴史社会学、東北研究。とりわけ、近代日本における東北地方の役割とポジションについて社会学、歴史学、民俗学双方の観点をとり入れながら“The Rice Nationalism”の研究に取り組んできた。朝鮮半島、台湾など旧植民地地域もフィールドにしている。近年は、宮城県南三陸町での生存基盤調査もはじめている。著書『こども東北学』イースト・プレス、共著『東京/東北論』明石書店、『ひとびとの精神史』岩波書店など。

 

◾︎トークイベント③

東北で活動する若手制作者・芸術家によるトーク

「いま・ここで『表現すること』に向き合う」

2016年3月5日(土)15:00-18:00 

登壇者:小林貴氏(デザイナー)、久松知子氏(画家)、村上一真氏(写真家)、浅野希梨(KiNoKuMaYA主宰)、小森+瀬尾

kobayashi

小林和貴|Kobayashi Kazuki

1986年福島県大熊町生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、同学科研究室を経て、2012年に南馬市へ移りフリーペーパーのデザイナーに。2013年より仙台の制作会社にて主にwebデザインを担当。

 

hisamatsu

久松知子|Hisamatsu Tomoko

1991年三重県生まれ。山形市在住。歴史や社会の反映としての美術の在り方に興味を持ち、絵画を制作している。現在の制作場所は山形県上山市の共同アトリエ「工房 森の月かげ」。2015年「第18回岡本太郎現代芸術賞」岡本敏子賞受賞。

 

murakami

村上一真|Murakami Kazuma

1989年岩手県陸前高田市生まれ。盛岡大学文学部修了。大学在学中に写真を始め、海や里山など田舎の風景を主に撮る。震災後からふるさとの移りかわりを撮り続けている。陸前高田市在住。

 

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浅野希梨|Asano Kiri

1983年福島生まれ。2011年以後、福島でおこる表現にこだわり、表現者と参加者が交わる場づくりを軸に舞台等の企画プロデュースを行う。人々の生活スタイルに寄り添った文化や領域横断的な地方型表現活動のあり方を模索して活動中。

 

 

 

■特別上映会 〜相馬高校放送局作品群の上映〜

2016年2月27日(土)13:00-17:00

アフタートーク:15:00-16:30

会場:御倉邸

登壇者:阿部泰宏氏(フォーラム福島総支配人)、渡部義弘氏(前相馬高校放送局顧問)、赤坂憲雄氏、小森+瀬尾

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阿部泰宏|Abe Yasuhiro

1963年、福島市出身、國学院大学文学部卒。1981年、東北地方に映画館を展開しようとする㈱フォーラム運営委員会の劇場運営理念に共鳴し、入社。平成6年よりフォーラム福島総支配人として、映画上映活動に従事。モットーは「たかが映画、されど映画」。

 

渡部義弘|Watanabe Yasuhiro

福島県立新地高等学校教諭、前相馬高校放送局顧問、現相馬クロニクル主宰(相馬クロニクルは相馬高校放送局卒業生の上映を主たる目的とした任意団体です)太陽の塔と同い年でずっと福島県民。

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相馬高校放送局

相馬高校放送局は震災直後から高校生の視点で震災を伝える活動を続けてきた。地元福島で話題になることは少ないが、東京新聞こちら特報部や朝日新聞オピニオン欄などでは大きく取り上げられた。2013年には高校生として初めて日本ジャーナリスト会議特別賞を受賞(高校生作品のノミネート自体初)。同年7月には第60回NHK杯全国高校放送コンテストテレビドキュメント部門で優勝。福島におけるコンテストのみ評価は低いが、マスメディアでは取り上げられない高校生の声を聞くことができると、国内はもとより国外でも高い評価を受けている。

 

 

■シネマてつがくカフェ「波のした、土のうえ」

2016年3月6日(日)13:00-17:30

ファシリテーター:西村高宏さん

ファシリテーショングラフィック:近田真美子さん

小森+瀬尾作品「波のした、土のうえ」をみなさんとともに鑑賞したあと、対話の場・シネマてつがくカフェを開きます。どうぞお気軽にご参加ください。休憩時にはお飲物をご用意しております。

てつがくカフェとは?

て つがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった問いを投げかけ、ゆっくり お茶を飲みながら「対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。

 てつがくカフェ@せんだい http://tetsugaku.masa-mune.jp/
考えるテーブルてつがくカフェ  http://table.smt.jp/?p=4097

「略歴用写真(西村)」20151218 西村高宏|Nishimura Takahiro

福井大学医学部准教授。「てつがくカフェ@せんだい」主宰。専門は臨床哲学。
哲 学以外の研究者や様々な職業従事者と連携し、医療や教育、科学技術、政治、アートなどのうちに潜む哲学的な諸問題を読み解く活動をおこなう。2011年3 月11日以降は、「せんだいメディアテーク」と連携しながら、震災という〈出来事〉を〈対話〉という営みをとおして自分たちのことばで語り直すための 〈場〉を拓いている

プロフィール写真(近田)近田真美子|Konda Mamiko

東北福祉大学講師。「てつがくカフェ@せんだい」スタッフ。専門は精神看護学。
精 神科をはじめ外科病棟やICU病棟にて看護師として働いた後、看護教育に携わる。てつがくカフェ@せんだいのスタッフとして主にファシリテーション・グラ フィックを担当している。また、震災後「東日本大震災を〈考える〉ナースの会」を立ち上げ、看護師を対象とした哲学的対話実践の場を拓いている。

 


 komoriseo3小森はるか+瀬尾夏美

Komori Haruka + Seo Natsumi

映像作家の小森と、画家で作家の瀬尾によるアートデュオ。2011年4月、ふたりで沿岸部のボランティアに訪れたことをきっかけに結成。2012年4月に岩 手県気仙郡住田町へ移住。沿岸の陸前高田市を中心に、移り変わる風景や人びとのことばの記録を続けている。また、記録を未来や遠くの人に受け渡すための表 現について考えながら、多様なアート表現をつくり出している。

ウェブサイト:http://komori-seo.main.jp/

 

小森はるか+瀬尾夏美 活動歴

「つくることが生きること」3331 Arts Chiyoda/東京(2012)

「3.11とアーティスト|進行形の記録」水戸芸術館/茨城(2012)

「陸前高田未来作戦会議」陸前高田市内/岩手(2012より)

「まなざしの先に」川口市メディアセブン/埼玉(2013)

「Art Action UK Residency Program」Husk Gallery/ロンドン(2014)

「震災と表現. BOX ART 共有するためのメタファー」リアス・アーク美術館/気仙沼(2014)

「DeptfordX」St Paul’s Church/ロンドン (2014)

「記録と想起-イメージの家を歩く-」せんだいメディアテーク/仙台(2014)

「けせん、たいわ、つむぎ」陸前高田市内/岩手(2014より)

「レコーディングインプログレス」せんだいメディアテーク/仙台(2015)

「Those who go east」white conduit projects/ロンドン(2015)

「Sharing as Caring 4」Heidelberger Kunstverein/ハイデルベルク・ドイツ(2015)

「あたらしい地面/地底のうたを聴く」ギャラリー・ハシモト/東京(2015)

巡回展「波のした、土のうえ」全国巡回中/(2015〜)